「俺は…お前を…」
耳元で聞いた言葉は魔法の様に僕の躰を痺れさせる。
夢心地でいた僕の頤にいつの間にか貴方の指が添えられて
見上げさせられた先に待っていた紫暗の瞳。
今までに見たことがない、穏やかでけれど熱の籠った瞳。
そんな瞳もするのだと見惚れていたら
貴方の顔が近づいてきて
重ねられた唇。
思いがけない事に固まってしまって動けない僕。
口内を蹂躙してくる貴方の舌に、されるがままになる。
呼吸も忘れ、溢れる唾液も飲み込めずただただ翻弄される。
頭の芯まで痺れた頃に漸く解放されて。
その時にはもう自分で立っていられなくて。
抱きかかえられる様に貴方に縋る僕の耳に再び貴方の声が届く。
「 」
頭に響く貴方の声に、もう泣きたいくらいになって。
ただこくこくと人形の様に頷けば
貴方の手が静かに僕を肌蹴させていく。
月明かりに晒される肌。
露わになる肌が浅ましく色づいているだろうと羞恥に身を捩れば
「 」
貴方の声に動きを止められて。
全て服を足元に落とされて
堪らず貴方の視線から逃れ様とすれば
貴方の手はそれを許さずに。
合わせられた瞳。
貴方の瞳に映っている心許ない僕。
「 」
安心させる様に気遣う様にかけられる声。
縋る様に少しだけ唇を開けば
望みの通りに与えられる口づけ。
そして貴方の唇が僕のそれから離れ
けれどそのまま耳朶を食んで項を辿って降りてくる。
その刺激に耐えられず声を漏らせば
それは確実に熱の籠った声。
仰け反った喉に貴方が喰らいついてくる。
その刺激にすら躰をびくつかせて悦びに慄える心。
立っていられなくて背後の出窓に座り込む。
窓に押し付けられたまま貴方の舌が喉から首、そして鎖骨へと降りてきて
胸の頂きを含まれて、堪えきれずまたも濡れた声をあげる。
永遠にも思える時間、貴方の舌に舐めあげられて
女性の様な喘ぎ声があがるのに羞恥に苛まれて
けれど貴方の舌は尚も肌をなぞりながら下へ向かって降りていく。
そこを含まれた時、甲高い声をあげると共に
貴方の頭を掴んでしまって。
頭を打ち振っても貴方は許してはくれなくて。
容赦のない愛撫を受けて狂いそうになって。
ただただ貴方の名を呼んだ。
貴方の口の中を穢す事だけは避けたくて
許しを請う言葉を口にしても、貴方は殊更に追い上げてくる。
…高みに追いやられて放ってしまった欲。
弛緩した僕の耳に、貴方が嚥下する音がやけに響いて。
情けなさと羞恥に耐えきれず涙を零せば
「 」
立ち上がった貴方が僕の頬に手を添えて
優しく気遣う言葉をくれる。
行為自体の拒絶ではない事を何とか伝えて
貴方の瞳が歓びに染まった時
貴方が悦んでくれるのならもう自分の事はどうだっていいと思った。
貴方に腕を伸ばせば
その手に優しく口づけを落としてから
貴方は僕を抱え上げた。
女性の様に扱われるのは正直居た堪れなかったけれど
観念して大人しく身を委ねた。
褥に静かに降ろされて
見下ろしてくる、同意を求める瞳。
応えの代わりに腕を伸ばして抱き寄せれば
貴方の力強い腕が抱きしめ反してくれた。
貴方の指が僕の口内に忍び込んでくる。
口内をかき回されてやがて出て行った指が
今度は僕の後ろにそっと忍んでくる。
「 」
息をするのも忘れていた僕に貴方が言葉をかけてきて
漸く息の仕方を思い出して
言われた通りに深く息を吐いて力みを逃す。
前にも愛撫が与えられて
弛緩したのを見逃さずに奥へと挿入れられる指。
僕は又あられもない声をあげてしまって
夢中で貴方の肩に縋り付く。
背中を走り抜ける様な快楽が襲ってきて
浅ましく立ち上がった前を更に包み込まれて
頭を激しく打ち振って、願いを叫ぶ。
僕が望んだ通りに
重い衝撃と共に貴方の昂ぶりで貫かれて
思わず貴方の背中に爪を立ててしまって。
貴方の腰にも思い切り脚を絡ませる。
いけないと思いつつも制御なんてまるきりできなくて。
それでも貴方と確かに繋がれた歓びに躰ごと慄える。
一気に貫いた後、暫し動きを止めてくれた貴方。
貴方と密着した肌が嬉しくて
胎内に確かに感じる貴方の昂ぶりに感極まる。
一つになれた悦びに全身全霊で浸る。
貴方がまた深く深く口づけてくれた。
それは全てを奪い取るかの様な激しさで。
貴方の情熱が嬉しくて。
夢中で絡め合う舌。
やがて名残惜しそうに唇は離れて
「 」
より一つになる為に貴方が言葉をくれる。
微笑んで頷けば貴方が何故か目を瞠って。
「 」
そう言い放って、激しく動き出した貴方。
突き上げられ揺さぶられて
沸き起こる快楽に翻弄される。
知らず自分の腰も貴方の動きに合わせて揺れる。
海よりも深い快楽に溺れていく。
やがて頭が快楽の痺れで覆われて白く霞む。
貴方の名前しか呼べなくなる頃
再び高みへと追い上げられて爆ぜて
貴方の灼熱を胎内に感じた。
弛緩して朦朧とした頭に、けれど貴方の声だけははっきりと届く。
「 」
それはまだこの夜が終わらない事を告げる、声。
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―了―
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無事お探しいただけたようで何よりです♪
ちなみに三蔵様の台詞「 」内が空白なのは、貴女様の心の中でそれを読み取って下さい、という本家様の仕様。
でも大概の38スト様なら手に取るように解る筈(笑)。
翠月様、本当に有り難うございました! |

「常連です!」という方も、「自分行動範囲狭いモンで;」という方も、読んだらぽちっと↑
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