| 八戒は洗濯物を干し終わると、空を見上げる。抜ける様に青い空。まさかこんな風に青い空を見上げる事が出来るなんて、あの時は思いも寄らなかった。 ホンのつい数週間前なのに、もう何年も、何十年も前の事のような気がする。 思わず手を太陽に向かって伸ばしてみる。手が影を作り、太陽を遮る。 「……本当に生きているんだなあ……」 思わず呟く。その時だった。玄関で誰かがノックをしたのは。 「はい」 慌てて洗濯籠を傍らに置くと、玄関先へと向かう。同居人は朝早くに出かけて行った。第一彼なら、自分の家に帰ってくるのにわざわざノックなどしない。尋ねてくる人物にもそんなに心当たりがない。 八戒は扉を開ける前に確認をする。 「どなたですか?」 「朝早くにすまない」 聞き覚えのある声。始めて会った時から惹かれていた人。自分をこの世界に、もう一度戻してくれた人。 扉を開けると、朝日よりも眩しい人物が立っていた。 「三蔵さん」 「近くまで来たんでな。様子を見に来た」 「どうぞ、入ってください」 三蔵を招き入れると、椅子に座らせお茶の用意をする。 「やかましい赤ガッパは留守か」 八戒は思わず笑う。 「朝早くに出かけたんですよ。そういうあなたも1人なんですか?」 「用事でここ数日、遠方に出かけていた。その帰りだ」 「悟空を連れては行けませんもんね」 八戒はお茶を三蔵の前に置いた。三蔵は八戒を見る。 「元気そうだな」 「ええ。三蔵さんのお陰です。本当に有難うございました」 「別に礼を言われる事などしていない」 「でも僕は貴方に救われてばかりですよ」 「俺は誰も救わない」 三蔵はお茶を一口飲むと、 「『八戒』」 「はい?」 「この名前に慣れたか?」 八戒は俯いて自分の手を見つめる。静かに微笑んで。 「正直……時々まだ戸惑います。いずれきっと、この右目の義眼と同じように馴染むようになるんでしょうけど……」 「……俺にも馴染めないか?」 「え?」 弾かれた様に三蔵を見つめる八戒。三蔵の言う意味が理解できない。 「どういう……」 「俺にだけまだ『さん』づけだ。丁寧な口調はお前のクセみたいなもんだろうが、どうして俺にだけ『さん』づけなんだ?」 「どうして……って……だって、貴方は年上だし、僕を救って……」 「俺は誰も救わない!」 思いがけないほど強い口調の三蔵。驚いて三蔵を見る八戒。だがそれ以上に三蔵自身が驚いていた。思わず真っ赤になる。三蔵は立ちあがると、 「失礼する」 そう言って、出て行こうとした。だが、三蔵の腕を掴んだ人物がいた。八戒だ。思わず八戒を見る。八戒は真剣な表情をしていた。 「逃げないで下さい」 「逃げてなんか……」 「だったら僕の言うことをきちんと聞いて答えてください。貴方を呼び捨てにして良いんですか?」 三蔵は何も答えない。 「僕の気持ちを知っていてそんな事を言うんですか? 僕は貴方が好きです。始めて会った時からずっと。貴方を呼び捨てにしてしまったら、貴方を誰にも渡したくなくなる。貴方を独占したくなる。だから、わざと他人行儀に呼んでいたんです。それでも貴方は……」 「知っていた」 三蔵は小さく呟く。視線は八戒から逸らしていたが、顔は真っ赤だ。 「だから余計に腹立たしかった。お前が……俺だけを特別扱いのようにするのが……」 「『嫉妬』……してくれたんですか?」 次の瞬間、三蔵は八戒に抱き締められていた。 「僕は独占欲が強いんです。それでも良いんですね?」 「俺も……独占欲は誰よりも強いつもりだ……」 やがて2人の唇は静かに重なる……。 まだ日は高い。カーテンを閉めていても、その隙間から明るい日差しが差し込んでくる。 八戒はベットに横たえた三蔵の身体を丹念に愛撫していた。柔らかい髪から頬へ、そして首筋から肩、胸へと移動する。赤い突起の周りを指先で優しく何度も何度も撫でる。三蔵の白い身体は薄いピンクに染まっていた。 固くなる突起を指の腹でこね回すと、柔らかい舌で舐め上げる。 「ああ!」 唇でついばむ様に口付けを繰り返し、軽く歯で刺激を与える。そのたびに三蔵の唇からは嬌声が漏れた。胸の突起から脇腹へ、そして腰へと移動して、固く閉ざされた足を優しく開いてやる。開かれた足の間に身体を滑り込ませ、白い内股をついっと撫でた。 三蔵の体はまるで電流が走ったかのようにビクリと震える。 「初めてですか?」 三蔵は顔を背けると、固く目を閉じた。 「分かりました。優しくしますね。だから安心してください」 そして固く天を向いている三蔵の中心部を、優しく握って刺激を与えてやった。爪先で上から下へと撫で上げる。恐らく自分1人で処理をした事もないのだろう。汚れを知らないソコを思わず汚してしまいたくなって、八戒は愛しそうに咥えこんだ。 「あああ!」 思いがけない刺激に、三蔵はすぐに果ててしまった。放たれた白い液体を、音を立てて飲みこむ八戒。三蔵は身体全てを真っ赤にしていた。まさか自分が放ったモノを飲みこんでしまうとは、夢にも思っていなかったのだ。 八戒はニッコリ微笑む。 「気にしないで下さい。貴方の全てを僕のものにしたいんです。だから飲み込む事くらい、なんでもないんですよ」 そしてサイドテーブルの引出しから小さなチューブを取り出すと、中の液体を三蔵の秘部へと擦り付けた。 「な!?」 「初めての人は辛いんですよ。だから潤いを与えてあげないと、貴方が辛くなるんです。大丈夫。僕に全てを任せてください」 自分ですら見た事のない場所を、他人に今、さらけ出している。三蔵はその事実に死にたくなるほど恥ずかしかった。だが、それと同時に何とも言えない感情が湧き上がって来る。 八戒の指は秘部を割って入る。ゆっくりと奥へと進む。傷つけない様に。最奥まで八戒の長い指が到達する。八戒はゆっくりと指を動かした。与えられる刺激に、三蔵の内壁はきつく締めつけてくる。途中まで抜きかけて、もう一度奥へ。それを数回繰り返す。何度めかの抜き差しの後、指をもう一本増やしてやる。最奥を突いた後、三蔵の内部で指を広げる。この後入る、自分自身に耐えられるように……。 三蔵の口は閉じる事はなかった。八戒に与えられる刺激に、何時の間にか自ら腰を振っていた。 「気持ち良いですか?」 八戒の上擦った声。三蔵は熱に浮かされたような瞳で八戒を見つめる。その紫暗の瞳は言葉よりも全てを語っていた。 ずるりと指を引き抜くと、三蔵の口元へと持っていく。三蔵はトロンとした目でしばらく見つめていたが、舌を使って舐め始めた。さっきまで自分の中に入っていた八戒の指……。 八戒はそんな三蔵の姿を見ていて、理性を保っていられなくなった。大きく三蔵の足を開かせ、固く猛った自分を宛がう。さすがに指とは太さが強い為、三蔵の表情に苦悶の色が浮かぶ。 「大丈夫ですよ。辛いのは最初だけですから……」 ゆっくりと時間をかけて三蔵の中に身体を沈める。全てを沈めた後、八戒は大きく息を吐いた。そして、三蔵の手を持つと、結合している部分へと導いてやる。 「分かりますか? 僕のモノが貴方の中に入っているんですよ」 三蔵は真っ赤になり、固く目を閉じる。八戒は微かに笑うと、 「動きますよ」 そう言ってゆっくりと動き始めた。初めて、男を受け入れたソコは、キュウキュウと八戒を締めつけてくる。少し気を抜くと、すぐに達してしまいそうだ。何度か抜き差しを繰り返すうち、その場所はグチャグチャと厭らしい音を立て始めた。それと同時に三蔵の声に、別の色が混じり出す。 「ああ……あ…あ…は……あ……ん……」 薄明るい部屋に響き渡る三蔵の艶かしい声と、粘着質の音。そして荒い息遣い。 「も……もう……や……あ……ああ……」 発射寸前の三蔵自身に刺激を与えてやる。三蔵の締め付けがますます強くなる。八戒も限界だった。 「ああ……三蔵……イキますよ……」 八戒の腰の動きが激しくなる。そして最奥の、三蔵が一番感じる場所を突いた瞬間、三蔵は身体を震わせて果てた。その瞬間に一層強くなった三蔵の締めつけに耐えられなくなり、八戒も三蔵の中で果てる……。 白いシーツに横たわっている三蔵の肢体。微かに入りこんでくる明るい日差しを受けて眩しいほどだ。 八戒はそっと金糸の髪に触れてみる。 「う……ん……」 くすぐったいのか三蔵が身じろぎして、目を開ける。 「起こしちゃいました?」 「……いや……」 掠れたような三蔵の声。 「夢の様ですよ」 「ああ?」 「貴方をこの手で抱けたなんて」 「ふん」 三蔵は赤くなると、八戒に背を向ける。 「拒まれると思っていたのに、どうして僕を受け入れてくれたんです?」 「そんな事も分かんねえのか?」 八戒は驚いたように三蔵を見る。 「……自惚れちゃいますよ?」 「勝手にしろ」 「愛していますよ、『三蔵』」 そういうと、三蔵の背中に口付ける。三蔵はゆっくりと目を閉じた。だが、その口元は嬉しそうに微笑んでいる……。 |
| ―了―
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