咲き誇る桃の花よりも
散り際の梅の花の方が美しい |
美しい人
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今日もまた、雨の日の夜。
彼女を思い床につく。
共有できると思っていた、その想い。
ひとり、貴女を守れなかった後悔を背負い。
解決できない。
この想い…
誰かを想っていなければ、貴女に取り殺されそう。
もう、貴女以外を愛してみたい…
「…」
久しぶりの静寂。
後部座席の悟空が昼寝中で...便乗して三蔵もその紫の瞳を閉じた。
後の悟空の横では、悟浄が遠くを見ている。
煙草を吸うのも忘れて。
横を見ると、美しいその顔が綺麗で...
「この辺で休憩しますか?」
聞くと伏せていた長い睫がゆっくりと開いた。
場所は湖の畔、整地されていないその場所は、まるでおとぎ話の聖地のよう。
車を停めると、貴方は誰よりも先に後の悟空を覗き込む。
貴方の大切な物...
「悟空...起きろ」
「ん〜、もう昼飯?」
「ああ、顔洗ってこい。その寝惚け顔をどうにかしろ」
「うん!」
そう言うと、悟空は元気良く湖に駆けていった。
その後を悟浄が追いかける。
「あ、悟浄、ちょっと待ってください」
そう言って釣り竿を渡す。
食料節約。必要最低限の物しか持っていかない趣向なので、食料は現地調達が望ましい。
最近拓けてきたとは言え、桃源郷も奥深くまで行くと大きな街なんてそうそうあるわけではない。
三蔵はいつも通り車から降りると、木陰に座り新聞を読む。
そんな貴方に、思わずドキリとする。
花楠とは違う。
その魅力に惹かれそう。
ドキドキした、その感情に懐かしさを覚える。
いつからだろう...こんな感情が芽生えたのは。
好き、とか、愛、とか、そう言うのは生易しいから、好きではない。
でも、この気持ちは...
「三蔵...」
「ん?」
その貴方の隣に座る。
遠くで悟空達のはしゃぎ声が聞こえる。
二人きり...
僕の大切な物は...
「好きです...」
そう言うだけで、満足。
ゆっくりと瞳を見つめ、それから唐突に唇を合わせる。
嫌がると思ったけれど?
意趣返し?
貴方は、僕の頬に、手を伸ばしてくれた
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...Love me?
―了―
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「蒼く輝く炎の中で」(閉鎖)様にてキリ番を踏んだ時のリクエスト品♪
リク内容は、『馴れ初め』。実はこちらのサイト様が生まれて初めてキリ番を踏んだサイトなのです♪
学生だったので、午前中に時間がある日も多かったんですね(懐)。
文章に梅の花が入って来る割に背景写真が薔薇なのは、香月が雰囲気を重視したためです(^_^;)。
レイアウトに関しては、極力マスター様が書かれた状態を保つようにしております。
ちえP!様、本当に有難うございました! |

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